A「おい、声かけてみろよ」
B「お、おはよう、暮野さん。」

暮野「……おはよう…..。」
A・B「…………..」
暮野「…………………..何?」
B「いや….別に…….」
彼女の名は「暮野はづき」。常にこんなコミュニケーションの取り方をするものだから、多分友達はほぼいない。
ここは、いわゆるお坊ちゃん、お嬢さん学校。勉学ができるのは当然として、本人のみならず家族にも一定以上の「気品」が求められる。暮野も例に漏れず、どこか大きな病院の院長さんの一人娘らしい。
こんなところだからこそ、いじめのようなことはないものの、彼女は孤立気味だった。しかし、男たちの中にはそんな彼女だからこそ目をかけたい奴らは一定数いるもので…..
C「やぁ、暮野さん、今日もお美しい!」
冗談めかして声をかけるクラスメイト。

暮野「….そう、……で?」
C「いや、そんな顔してると俺悲しくなっちゃうじゃん!」

暮野「あなたを楽しませる必要があるのかしら?」
C「いや、そこまで言わんでも…..。」

ヒソヒソ声「なにあの子?男どもには興味ないって感じ?」
ヒソヒソ声「ああいうキャラがモテるとか勘違いしてんじゃないの?」
—-放課後—
D「あの、今日呼び出したのは….。」
暮野「要件を早く言って。早く帰りたいので。」

D「あ、あ、あの…..好きです。付き合ってください。」
暮野「…私のどこが好きなの?」
D「….暮野さんは、他の子と違って、僕らなんかよりずっと大人で。ずっと怒ってるように見えるけど、ふと優しい性格が….」
暮野「….お付き合いはお断りします。そんな気になれそうにないので。」
こんなんだから、逆に一定数、マゾヒスト属性の男どもは本気になってしまい、そして撃沈していく。こんな感じなのに、むしろこんな感じだからそこそこモテるのだ。
告白された直後であろうが、彼女は怒ったような顔で、部活に向かう。
暮野が所属するのは美術部。美術部なんて、この学校では人気がない。部員は俺と暮野の二人だけだ。
こんな彼女だが、美術室には毎日やってくる。

ガラガラ…..
暮野「….入ります….。」

俺「おお、暮野、今日は遅かったな!」
暮野「あ、センパイ、来てたんですね。すみません、ちょっとなんか呼び出されてしまって。」

俺「また告白とかされたん?」
暮野「そうなんですよ。付き合ってくれとか、わけのわからないこと言われまして….。」
俺「いや、別にわからないことないだろ?」
暮野「D君っていうんですけど、なんか私の性格がどうとか、優しいがどうとか、意味不明なこと言うので…..」
俺「…あー、そうだな、そいつの目は節穴だな。」
暮野「センパイ!今日もいいですよね?」
俺「別にいいけど….」

暮野「…..ああ、落ち着く….先輩の筋肉….。」

暮野「なんですか、このエロい筋肉は。私を妊娠させる気ですか?」
読者諸兄。もうお分かりいただけただろうか。暮野は、重度の筋肉フェチなのだ。
そして、その発言は、下ネタ女王なのだ。
そしてD君。君はこいつが喜ぶ褒め言葉が間違っている。
俺「お、今日のお前は一段とエロいな。先っぽからなんか出そうだわ….。」
暮野「あら、とうとう私と先輩が結合する日が来ちゃいましたかね?」
俺たちの日常会話はこんな感じである。このお坊ちゃん、お嬢さん学校にはあるまじき会話だが、こんな会話ができるのもこいつとだけなのだ。俺も教室では優等生の皮を被っている。
とはいえ、こいつとは付き合っているわけでもなく、部長と部員として、絵を描き始めるのが美術部の日常だ。俺はいわゆる「一般組」である。普通のサラリーマン家庭の両親が無理してこの学校に通わせてくれている。しかし、暮野は本物のお嬢様だ。いくら筋肉フェチだからといって、一線は弁えている、と思いたい。

暮野「先輩、そんな筋肉してるのに絵は上手いんですよね。絵とか描いてないでもっとエロい仕事とかすべきじゃないんですか?」
俺「エロい仕事ってなんだよ?」
暮野「汁俳優さん、とか?」
俺「うむ、それには高いハードルがある。」
暮野「先輩の筋肉ならいけますよ。私なら買います。」
俺「汁俳優でAV選ぶやつ、初めて見たわ。まぁでも未経験者の俺には無理だよ。」
暮野「何言ってるんですか!先輩の筋肉なら100人は妊娠させられますよ!」
俺「俺は徳川家斉か!」
※徳川家斉は53人の子を作った絶倫将軍。

俺「でもさぁ、お前、普段もそんな感じで楽しそうにしてりゃ、もっと友達とかできるんじゃねーの?」
暮野「そりゃそうなんですけど、一回、普通に話せみたんですけど、会話が噛み合わなくて。それ以降、一般ピープルには構わないようにしてるんです。」
俺「何言ったんだ?」
暮野「どこ製のバイブを使ってるかって話なんですけど…」
俺「うん、そりゃー噛み合わんな。俺ですらドン引き一歩手前だぞ。ましてやあの箱入り女子たちは何言ってるかわからんだろ。」
暮野「でしょ。ですからこの学校で話が通じるのが先輩しかいないんですよ。」
俺「でも….俺もう卒業だぜ?大丈夫か?」
いつも通りの軽い会話のつもりだった。しかし、突然暮野の目から涙が溢れる。

暮野「…..ごめんなさい。そうなんです。怖いんです。先輩がいなくなった後が…」
芯の強い女性ではある。だが、やはり一人の女の子なのだ。うまく会話できる人が周りにいなくなるというのは、どんなに心細いことだろう。
俺「…………すまん、でもちょっと心配でな。俺にできることがあればなんでも言ってくれていいいぞ….」
暮野「ほんとですか!じゃぁお願いしたいことがあるんですけど….」
俺「なんでも言ってみろ、今日の俺は、お前の奴隷だ」
暮野「先輩の絵を書かせてください。」
俺「….まさか….」

暮野「もちろん全裸っすよ!」
俺「まじか….」
暮野「先輩の筋肉があれば、あと1年は生きていけますし。」
果たして、やっていいものだろうか。….まぁ、でもあの涙を見た後じゃな….。
やるしかないだろう。
俺「….おう、任せとけ。余す所なく見るがいいさ…。」
俺は徐に服を脱いでポーズを取る。

暮野「ほう、ほう、ほう。なかなかのものですね….。」

暮野「これって、ちょっと食べてもいいんですかね?」
俺「いいわけあるかー!」
暮野「あれ….先輩?」

暮野「そびえ立つべきものが立ってないじゃないですか?」
俺「ええっ?そりゃそうだよ。普段はこんなもんだよ。」
暮野「ええっ?これじゃローマ時代の彫刻と変わらないじゃないですか。そそり立たせてくださいよ。」
俺「性的興奮がないと立たないの。お前も脱ぐか?」

暮野「わ、私ですか?私の貧相なものなんて見ても….」
俺「いつもお前の体エロいって、俺言ってただろ?」
暮野「あれは私の話に合わせてくれてただけでは?」
俺「まぁそう言うところもあるけど、でもエロいとは思ってるよ。」
暮野「本当に…..?立たなかったら、先輩の筋肉食べちゃいますからね?」
どうやら脱いでくれるらしい。

ブラは白いレース。お嬢様として当然の嗜みだろう。
暮野「まだ、おっ立てちゃダメですからね?」
セリフは、お嬢様ではないが。
俺「下着くらいで立つかよ。中身を見たらギンギンになると思うが。」
暮野「まじですか。こんな小さなおっぱいに興奮するとか、ど変態ですね。」
そう言いながらブラを外していく。

暮野「こんな、感じですかね?」
俺「おい、ふざけんな。スケッチブック外せよ。」
暮野「冗談ですよ。では刮目してください!」

暮野「あ、あれ….?….あの…..」
俺「どうした?」
暮野「やっぱり….恥ずかしいです…..。」
そのセリフで、俺のメーターは振り切れる。

暮野「うわっ!先輩の剛直が!!!」
俺「剛直言うなや。普段とのギャップに反応してしまったわ。」
暮野「ギャップ萌えってやつですか?萌えとか言うよりもっと邪悪な感じはしますが。」
俺「まぁ、邪悪だな。お前が手を外すと、もっと邪悪になるぞ。」
暮野「….分かりました….。」

暮野「あとは、下も、脱ぎますね。」
俺「ちょっと待って。そのままスカートあげてみて」
暮野「え?順番とか」
俺「順番というか、まぁ作法だな。」
暮野「分かりました….。」

暮野「こ、こうですかね….。」
俺「いいねぇ、すごく、いい。そのままにしといてね。」
暮野「はい…。」
俺「えいっ!」

暮野「なんでスカートは脱がさないんですか?」
俺「これも芸術だから覚えておけ。チラリと見えているくらいが興奮するんだよ。」

暮野「は、はい….」
俺「あふう….思ったより、柔らかいんだな…」
暮野「あの、先輩、一つお願いが….」
俺「なんだ?」
暮野「ぶっかけ、してもらえません?」
俺「お前、マニアックだな。いいぜ。もう俺の剛直は発射寸前だし。」
実際に、俺の44インチマグナムは、もう暴発寸前だった。
数度擦り上げただけで、それは連写するマシンガンへと変貌した。

滴り落ちる白いタンパク質が、なんともエロい。
暮野「先輩、私たち、しちゃうんですかね?」
俺「…そうだな、しちゃうな。」
暮野「優しく、してくださいね!」

そう、言いながらスカートを脱ぐ姿に我慢できず。

暮野「あ、先輩、ちょっと!」
もう俺は、止められない。
暮野「あん…あっ….」

暮野「気持ち….いいです。いいです、けど…..。」
俺「?」
暮野「最後は、先輩の筋肉見ながら、イキたいです!」
名残惜しいが、一旦引き抜く。

暮野「もう、今度は私がリードしますよ!」
俺「お願いします。あ、ちょっと待って?」
暮野「手袋、ですか?これつけるんですか?」
俺「これも覚えておけ。先端着衣は性的興奮を30%はアップさせるんだ。」

暮野「じゃぁ、入れますね。」

暮野「んぎっ…..」
俺「痛い?」
暮野「痛い、です、けど。気持ちいい、です。」

暮野はそう言って、一心に腰を振る。
あまりの刺激に、どうやら終わりは近いらしい。

あかん、もう、いってしまう。
俺「暮野、いくぞ!」
暮野「先輩、おねがいします!」

俺が果てると同時に、彼女もピクんと体をくねらせる。
同時に達した後の美術室には、二人の吐息だけがかすかに聞こえていた。

暮野「これで、よかったんですかね、私たち」
俺「さぁ、ただ、もうお前のことは忘れることはないわ。」
暮野「へへへ、先輩の初めてもらっちゃいましたしね。」

この後、俺たちは、卒業するまで、そして卒業してからも毎日筋肉をぶつけ合うこととなる。