俺は別に疲れたとは思っていない。確かに、仕事が思ったように進まなくなっており、成果が落ちていたことは否めない。それなのにあの産業医が鬱だと診断したものだから、俺は強制的に休みを取らされることになった。
医者が言うには、南の島にでも行ってリフレッシュして来いとのこと。
どうせこんなことになれば、出世の道は途絶えたと言っていいだろう。南の島なんてものに興味はなかったが、水泳は小学生の時にやらされていたので、泳ぎには自信がある。
まぁ、そういうのも悪くないか。
俺は大して準備もせず、沖縄を目指すことにした。

俺は、自分で言うのもなんだが、頑張ってきた方だ。
裕福な家の出ではないが、いわゆるSランクと言われる大学に入り、修士号を取得後、岩っゆる一流と言われる企業でエンジニアをやっている。
高校の同級生のボンボンどもは、なんの苦労もなく社長になる。一方、俺はどう頑張ってもせいぜい事業部長だろう。社長になることはない。出世競争から外れた今、課長レベルすら怪しい。
天は人の上に人を作らないから学問しようぜ、なんて言ってた奴がいるけど。そいつが作った大学の知人は、ろくに学問もせずに自動的に社長になって、俺のような奴を顎でつかう。
つまらない。本当につまらない社会だ。
那覇空港からさらにもう一本飛行機に乗り継ぎ、さらに船に乗ってようやく目的の島に辿り着く。

宿に荷物を置いた俺は、特に宿の主人と話すこともなく、あてもなく散策に出る。
目的もなく歩く。思えば、目的もなく歩く、なんてのは学生時代以来だろうか。
友達が少なかった方では、決してない。しかし、社会に出て仕事に没頭していくうちに、いつの間にかあれだけつるんでいた奴らとも会話が合わなくなってしまった。
歩く、という行為は何かの目的のための移動手段でしかなかった。それをただ、歩く、それを目的とすることだけでも新鮮だった。
悪くない感覚だ。休む気なんてさらさらなかったが、いざ強制的に田舎に来てみると、それはそれで悪くない。どうせ出世の道は閉ざされたわけだから、不良社員としてのらりくらり、こんなことを楽しみに生きていくのも悪くない。
道はすぐに海岸へと続いていた。沖縄本島や石垣島であれば海水浴客でごった返してるんだろうが、観光ガイドにもほとんど載っていない島に来たもので、ビーチは閑散としている。
いたのは一人の少女だけだった。
「誰?」

「あ、ごめん。今日からそこの民宿でお世話になる者です。」

「あ、お客さんですね。聞いてます。」
「ああ、あの宿の子?」
「いえ、でも小さい島ですからみんな知ってますよ。」
彼女は朝霧ことはと名乗った。ありそうで聞いたことのない苗字だが、名前の「ことは」からは品性を感じる。

「どちらから来られたんですか?」
「東京だよ。行ったことある?」
「ないです。島の外の学校に行ってたことはありますけど。」
(あれ、思ったより大人なんだ。ひょっとして成人?)
まぁいい、成人ということにしよう。
「ふーん。で、一人なの?友達とかは?」
「小さい島ですからね。同年代がいないんですよ。」
「そりゃーかわいそうだな。よし、俺、しばらくいるから遊んであげよう。」

「本当ですか?ありがとうございます!」
とはいえ、その日は遊んであげよう、というよりは島のこと、海での遊び方など、むしろこっちが教えてもらった一日だった。こんな可愛い子と遊ぶのも悪くない。東京なら金を払うシチュエーションだ。
—翌日—
翌日も、特に何をするでもなく、海に出かける。
「あ、今日も来てくれたんんですね、お兄さん」
「え??ええっ?」

「え?どうしたんですか?」
「いや、それ、水着じゃなくて下着だよね?」
「え?そうですよ。水着は洗濯中でして。」
まじか。こんなご褒美があるとは…南の島。良い。すごく、良い。

「水着も下着も一緒じゃないですか。ほとんど人がいない島ですから。」
そうか、そもそも恥じらいの感情が薄いのか。
とはいえ全裸じゃない以上、最低限の恥じらいはあるのだろうが、下着は恥ずかしい分類に入らないらしい。
「ことはちゃん、その姿なら東京なら金取れるぞ。」

「ははは、そんなわけないでしょ。ただの下着だよ?」
「うん、ことはちゃんだったら1万円は出すかなー。」

「ええっ?一万円ですか?東京すごいですね!その分家賃とかも高いんですよね?」
うん、そういうレベルの話じゃないんだけどな。どうやらこの子は自分の価値がわかってないようである。

「今日も、沖に行きます?」
「え、でも….」
沖に出るということは水に浸かるということで、…..下着で?
しかし、それを指摘するよりも、俺は見たかった。その姿を。
俺は水着にゴーグルで完全装備。だがことはちゃんは下着のみ。
潜って見てみると、案の定、おっぱいが透けえて見えている。
いい、すごく……いい。

パンツの方は残念ながら生地が少し厚いのか、透け透けにはならなかった。
しかし、それを差し引いても、乳首と白い肌だけでもう勃起は最高潮になりつつある。
海の中だからこそ勃起したままで許されるが、東京ならセクハラで一発退場だろう。
そうしているうちに、彼女の周りに魚たちが大量に寄ってきた。
白い肌を珊瑚とでも勘違いしたのだろうか。

ちょっと驚いている様子である。
賢明なる読者諸兄なら、次の展開はもうお分かりだろう。そう、ラッキースケベ発生である。

俺は魚にこんなに感謝したことは、人生に一度もない。
ただの食べ物でしかなかった魚に感謝できるだけでも、この旅に価値はあったのかもしれない。

魚たちは、容赦無く、下も剥ぎ取ろうとする。ここの魚たちには高い知性があるらしい。
魚たちよ、がんばれ、あと一歩だ!
しかし、流石に恥ずかしくなったのか、ことははこちらに寄って来て、上にあがろうと促してくる。

水面に上がる。
「お、お兄さん、見ちゃいました?」
見られたどころか、下着が取れて、今もおっぱいをガン見されていることに気づいていないらしい。

「うん、まぁ。でも今も見えているというか。」
「えっ…ひゃあああん!!!!」

「見ないでぇぇ…..」
うむ、やっぱりおっぱい見られるのは恥ずかしいらしい。
下着は羞恥度0なのにおっぱいだと100になるのはちょっと解せないが。
さて、どうしよう。
俺は…..
もっとおっぱ見たい。
彼女は多分、自分の価値をわかっていない。そして羞恥心は薄めである。うまくすればいける!
「でも、可愛いよ?」
「可愛いとか言わないで!」
「でも本当のことだからなぁ。」

真っ直ぐに褒められた経験が少ないのであろう。ことはちゃんは言葉に詰まっている。
もうひと押しだ。
「まぁ、もう見ちゃったんだからさ、隠すことないだろ?」
「でも、恥ずかしいし….」
「あのなぁ、恥ずかしいってのは、本当に恥ずかしい形のおっぱいの子たちの話なんだよ。ことはちゃんのはすごく可愛くて綺麗だった。だから、見せても恥ずかしいことなんてないだろ?」
「….もう、見せちゃいましたしね。」
うむ、自分で言っていても理屈がよくわからんのに、混乱した女子にはこれで通じるのか。チョロいな。
「だろ?手を外して、もう一度見せてよ。」
「はい….」

「これで、いいですか?」
「どう、まだ恥ずかしい?」
「はい、まだちょっと恥ずかしいです。」
「大丈夫だよ、すぐに慣れるって!」
「はい、そうですよね!」
自分で言っておいてなんだが、マジか!?

「えいっ!」

おもむろに水をかけだした。その彼女の表情からはすっかり恥じらいは消えているようだ。体を動かすことで、わずかに残った恥じらいを捨てようとしているのだろう。
ひとしきり水遊びしたあと、一休みするために陸に上がることにする。
当然ながら、俺が先に陸に上がって、彼女をリードする。
紳士として当然の嗜みである。そう、上がる瞬間に、何かが起こるはずだ。
「あ!!!!!!」

「ひやあああん!」

「み、見えちゃいました?」
「見えちゃいました。」
「…….」
「もう、いいじゃん、見ちゃったわけだから。脱いじゃえよ!えいっ!」
その場を誤魔化すように、そして彼女の恥じらいを流すように、水をかける。

「あ、やったなー!」
また、水かけ合戦が始まる。こうしていれば、恥じらいが薄れていくらしい。

ただの水掛け遊びである。それがこんなに楽しいのは、この南の島のせいだろうか。
それとも目の前に全裸の美少女がいるからだろうか。
考えるまでもなく、後者だろう。
ひとしきりはしゃいだあと、俺たちはビーチで一休みすることにした。

「日光浴、しましょうか?」
「それにしても綺麗な裸だな。もう少しみてもいい?」

「もう全部見せちゃいましたから、…いいですけど…」
後ろに回ってみる。

無防備である。感動的なまでに無防備である。
俺は、そもそも、あんな会社で出世するために生まれて来たのだろうか。それとも、この美少女とエッチなことをするために生まれて来たのだろうか。俺の人生が揺れていく。
そうだ、あんな会社なんかどうでもいい。俺は多分、この子とエッチするために生まれて来たんだ、そうに違いない。
「すごいね、エッチな体してるね。」
東京ならまず間違いなく即日解雇だろう。だが、人生の目的を見つけてしまった俺は、誰にも止められない。

「ええっ??ひょっとして、えっちなこと、したい感じですか?」
「ダメかな?」
「ダメですよ!私ばっかり見られて、不公平です!」
え?論点そこ?
「じゃぁさ、俺も見せるからさ」

「でも、ダメです!」
だが、性欲に支配された俺は、食い下がる。
「じゃぁさ、一人エッチなら?ことはちゃんは一人でしないの?」
「まぁ、することは、しますけど….」
するんだ。ならまだ攻められる。
「じゃぁさ、こうしよう。お互い見せ合いながら一人エッチしよう。性的な欲求が溜まったままじゃ楽しめるものも楽しめないだろ?」
「それなら、まぁ、いいですけど….」
俺のイキリ立ったものをみた瞬間は驚いたものの、どうやら知識はあるらしい。
そこからはお互いの秘部を見せつけ合いながら、致す。

「すごい、です。こんな感覚、初めて」
どうやらオ○ニーは相当上級者らしい。いけない娘だ。
「俺も、すごい。そろそろ….」

「射精、するんですか?」
「する!イクっ!」
「私も……!」
これまで無いほどに濃いものが、彼女の髪に、体に、乳房に、そして秘部に散らばっていく。

言いようのない征服感だ。
「すごい、こんなに出るんですね…..」

恥じらいながらも、初めて見るタンパク質に、彼女は興味津々のようだ。
「そうだね、出る量は興奮度合いによって違うんだけど、ここまで出たことは、俺も無いと思う。」
「そうですか、我慢させちゃってたんですかね?」
「で、どうだろう?このまま、しちゃわない?」
「ダメです!怒りますよ?」
ここまでお互い恥ずかしい姿を見せたもんだから、いけると思っていた俺は甘かった。

しかし、彼女はなんなのだろう。出会って二日でオ○ニー合戦したかと思えば、最後の砦は固い。どういう人生を送ってきて、今後彼女はこの島でどう生きていくのだろう。
やはりいずれ島を出るのだろうか。それともどこかの男のもとに嫁いでいくのだろうか。
翌日以降も、決まった場所に彼女は現れる。
そしてぱちゃぱちゃと水遊びをした後は、エロい展開になった。
同年代のいない島にいるうら若い女性。そりゃあ溜まるものがあるだろう。

段々とエスカレートして、手でしてもらったり、舐めさせてもらったり。

彼女のそれを手伝うこともする。

写真を撮ってもそれを拒む様子はない。
なんだろう。彼女は天使か何かだろうか。
しかし、最後の一線だけはどうしても超えさせてくれない。
そうこうしているうちに、東京に帰る日が近づいてきた。
「お、ことはちゃん、今日も来てるね。」
しかし、今日の彼女は珍しく物憂げな表情を浮かべる。
「….お兄さん、そろそろ帰っちゃうんですよね….。」

正直、帰りたくなんかない。この島でずっと淫らな生活に溺れていたい。それができればどんなにいいだろう。だが、俺も東京の生活が…..生活が、あるのか?

月曜から金曜まで満員電車に揺られて、それだけで疲れる生活。1日3時間は電車に乗っている。鉄道マニアでもないのに。疲れてたどり着いた先で、クソ上司のアホみたいな命令をこなす。
無茶な納期に追われて、休みのはずの土曜にに休めたことがあっただろうか?日曜だけは休みだが、疲れて泥のようにねむる。
そして月曜の朝がやってくる。
これが生活を営んでいると、言えるだろうか?確かに、頑張って勉強して有名大学に入って、一流と呼ばれる企業に入った。企業としては確かに一流だ。が、その会社の勤め人が一流とは限らない。そして俺は多分三流だ。
そんなことに思いを馳せている間に、彼女は語り出す。

「私も、本当はね、一度島を出てみたいの。でも….」
どうやら、彼女には病状の思わしくない父がいるらしい。母は田舎の生活に耐えかねて物心つく前に出て行ったらしく、父との二人の生活なわけだ。
「お父さんは出て行けっていうんだけどさ、出ていけるわけないじゃん。」
優しい子だ。
ようやく気づいた。だからなのだろう。俺と最後までしてしまっても、彼女は島を出ることはできない。だからと言って、この島に永住するなんて決断、普通はできない。
最後の一線はを譲らないのは、そういうことか。
「俺、この島永住したいと思ってんだけど。」

「でもお兄さん、病気の養療に来ただけですよね?東京に生活があるんじゃないですか?」
「ちょうどそのこと考えてたんだけどね。東京にはやっぱり生活なんてものはなかったよ。ここ1ヶ月のこの島で君と遊んでたのが生活だとするなら、東京は生活じゃない。」
「でも、こんな田舎、なんの魅力もないですよ。」
「え?でもことはちゃんがいるじゃん。」
「そりゃ、私はいますけど…..」
どうやらプロポーズに近いことを言われたことに気付いた様子。

「私なんかで、いいんですか?」
「いいに決まってんじゃん。土下座してでもお願いしたいよ。」
「でも、…本当….ですか?」
そりゃそうだよな。俺みたいな男が口先だけで遊んでいるのかもしれない。
「よし。ならば東京で身辺整理してくる。1ヶ月後に帰ってくるから、待ってて。」
「….はい….。」

そう決心してからの動きは早かった。まずはクソ上司に退職届と叩きつけて、即日退職。
アパートの荷物は全て業者に頼んで処分してもらった。正直、スマホとPC、ネット環境さえあれば仕事もなんとかなるだろう。
そして1ヶ月後…..

「やあ、ことはちゃん!」
「お兄さん、本当に、来てくれたんですね…。でも、住むところはどうするんですか?」
「しばらくまた民宿にお世話になるよ。」
「じゃぁ…..しちゃいます…..?」

服を脱ぐ手には、もはやためらいは、ない。

彼女の美しい肢体を見てしまった俺は、1ヶ月分、溜め込んだ感情をぶつける。
ことはも溜め込んでいたようで、幾分暴力的になってしまった挿入行為への抵抗はない。

「んあっ……あっ….」
少しの苦痛と大いなる快感に歪んだ表情。もはやこれを止める理由は何一つないのだ。

「お兄さん、やばいです、私、もうイっちゃいそうです….」
挿入してからまだ1分と経っていない。しかし、それは俺の方もそうだった。

「んぎっ……..」
鈍い声を上げることはの中に、全てが開放されていくのを感じる。
「はぁ….はぁ…….」
「す、すごかったです….」
1分程度で致してしまうのは、もはや恥ずかしいとは思わない。こんなに気持ち良いものがこの世にあるのであれば、仕方ないことだろう。
2回戦を始めるのに、お互い言葉は必要なかった。今度はバックだ。

今度はより奥深いところまで届く。
女性には優しくありたいものだと思っているが、今のことははそれを求めていない。めちゃくちゃに激しいものを求めている。
言葉にしなくとも、それは十分に伝わってきた。
それに応えるよう、俺は全身に力を込めて、彼女の気持ちに応える。

「お兄さん、好き…..ああっ….」
「俺も、好きだよ….」

「すごいです、子宮の奥まで…..」

「んああっ….んああっ…..」
二人の間にはだんだん言葉が失われていく。この期に及んで、言葉など野暮の極みでしかない。

「んあああああああっっっっっっっっっっ!!!!!」
俺の中を賭けるものが通過する時にごくわずかに脈打つ。そのごくわずかな脈動が、彼女を絶頂へと誘った。

「しちゃい….ました..ね。」
「そうだね、しちゃった、ね。」
俺とことはは、その日のうちに、婚姻届を提出した。

生活って、なんですか?
生きて、活きてますか?

名門大学、有名企業。頑張った先に、何があっただろう。

多分、頑張るってことは、社会のレールを走ることでは、ない。ヒトは、社会的生物である前に、動物なのだ。

この挿絵以上に、生きて、活きていないのならば、きっともっと活きる道は、あるはずなのだ。
